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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ632

「続いてニュースです。現在、中継している映像は東京都内で発生している火災の様子ですが同様の手口による未遂事件が全国の都市で続発しています。現時点で国営放送が把握しているだけでも仙台、名古屋、金沢、広島、福岡です。ただし、各都市とも市内にある油槽所が襲われた時点で警察が駆けつけて阻止しましたから火災は発生していないようです」」今日は散歩をしていないのでシャワーは早めに終わって居間に戻ると国営放送に戻して点けっ放しにしていたテレビはとんでもない続報を流していた。これらの都市は多くの人口を抱える各地域の中核で市内に油槽所を持っていると言う2つの条件で選択されたようだ。だから内陸で油槽所を持たない札幌や首都圏の横浜と川崎は人口が多くても外れている。逆に条件に適っている大阪や神戸で起きなかったのは多くの在日中国人と半島人が居住しているからだろう。横浜はこちらにも該当する。
「危なかったのね」「警視庁はクジテレビの占拠事件に全力投入していたから隙を突かれたんだよ。制圧は自衛隊にやらせるべきだったかも知れないな」私が腕組みをしてテレビを睨みつけていると洗濯物を片づけていた梢が戻ってきた。私が今回の処置に関する政府首脳たちの遣り取りを知る筈がないが、警務幹部を兼務する元自衛官としては治安維持に関しては一家言(=独自の見解)ある。
「道路上では次々に自動車が炎上、燃料タンクが爆発して火の勢いは激しくなる一方です。東京消防庁では油脂火災に対応できる化学消防車は台数が限られていて東京都は東京国際空港=羽田空港と陸上自衛隊立川駐屯地、航空自衛隊横田基地に空港用消防車の派遣を要請しました」アナウンサーがこのニュースの台本を読み終えた時、窓の外の横田基地から日本のものよりも甲高い消防車のサイレンが聞こえた。カーテンを開けると赤白2色塗装のアメリカ軍の化学消防車が赤の点滅灯を光らせて走り出したのが見えた。横田基地の航空自衛隊には建物しかないため化学消防車は保有しておらずアメリカ軍にトモダチ作戦を頼むしかない。国営放送はそれを知らないのか、知っていて隠蔽したのか、それとも東京都が間違った情報を流したのかは判らない。
「なお、都知事は陸上自衛隊にヘリコプターによる消火剤の散布の災害派遣を要請しましたが新潟方面に派遣しているため対応できないと断られたようです」この補足説明で疑惑は国営放送に向かった。今も新潟市内では陸上自衛隊がロシア軍と市街戦を繰り広げていてヘリコプターに限らず戦力を集中させなければならないのは常識だ。ところが国営放送に限らず東京のテレビ各局は都内で発生している大火災のニュースだけを報道してクジテレビの続報や新潟方面の戦闘に関する情報は完全に無視している。
「今夜も飲むんでしょ」「自衛隊じゃあないから非常呼集がかかることはないだろう。今夜は泡盛の日だったよな」「だからツマミはモズクの酢の物よ」私が益々厳しい顔でテレビを見ていると横から梢が声を掛けた。Ⅰ型糖尿病による摂取カロリーの制限を受けている私は酒を飲むのも炭水化物に換算して飯や麺類の量を減らしているので沖縄特産のモズクの酢の物は打ってつけのツマミだ。モズクは2人で行った牧志の公設市場で見つけて以来、本土でも食べていたが梢が作るとやはり沖縄料理のような気がする。
「今日は乾杯するような気分じゃあないわね」「心静かに沖縄を味わおう」淳之介に送ってもらった石垣島の泡盛・宮の鶴の濃さが違う水割りを作りながら今夜の戒めを確認し合った。新潟では戦いの最中にある隊員たちがいてクジテレビでは職場を守ろうとして殺された300人を超える局員と尊厳を踏みにじられて自ら命を絶った女性たちがいた。今夜は彼らへの祈願と追悼の酒になる・・・はずだった。
「ここで国営放送から皆さまにお知らせです。大正12年の関東大震災では何の根拠もなく単なる不安に駆られた流言風説で多くの朝鮮人が日本人に虐殺されました。今回の一連の事件は極少数の在日アジア系市民が個人資格で関わっているだけで組織的な犯行ではありません。過去の誤った行為を繰り返さないように厳に自らを戒めて下さい」唐突に国営放送が事実に反する教育的指導を流し始めた。関東大震災の頃、日本国内では在日半島人による凶悪事件が頻発していて不安が虐殺につながった集団心理には必然性があったのだ。折角の泡盛=アルコホールが怒りの炎の燃料になってしまった。
  1. 2023/10/09(月) 14:27:58|
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