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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ638

「どうしてグランド・ジエータイ(陸上自衛隊)は積極的な攻撃を開始しないんですか」新潟市での陸上自衛隊の攻勢作戦が本格化すると日頃は無関心なアメリカのマスコミも報道を拡大・充実させるようになった。ところが手枷足枷をはめられたような陸上自衛隊の戦術がアメリカの視聴者には理解できず問い合わせが殺到している。しかし、アメリカ国内で自衛隊が強いられている特殊事情を詳しく解説できるのは在ワシントン日本大使館の防衛駐在官3人と最近は知名度が急上昇して連邦議会選挙への出馬も噂されているハワイ日系人協会理事のノザキ佳織元将補だけだった。ただし、新聞記者たちはニューヨークの謎の日系人雑誌記者たちで十分間に合っている。そのノザキ元将補は今日もハワイの執務室で大手テレビ・ハワイ支局の記者のインタビューを受けていた。
「日本は憲法の制約で防衛行動が警察権の枠を越えられないからです」「また憲法ですか。日本国憲法がマックアーサー元帥のGHQ(占領軍)によって作成されたことは学びましたが、国家非常時にここまで支障を与えている憲法を何故放置しているんですか」「日本では根本法典を保存する習慣があるんですよ。701年に制定された大宝律令も明治憲法が制定されるまで1000年以上も有名無実の根本法典として放置されてきました。そのうち世界最古の成文憲法としてユネスコの文化遺産に登録申請するんじゃあないですか」この説明はアメリカからの帰国子女として抱いてきた日本社会への違和感に対する皮肉なのは言うまでもない。記者もそれを理解して質問を変えた。
「ホワイトハウスは日本政府が戦時態勢に移行しないことを理由に日米安全保障条約の発動を止めていますが、このままでは同盟関係が維持できません」「日本ではかつては日英同盟で世界唯一の同盟国だったイギリスや統治していた台湾、私も勤務したフィリピンの若者たちがジエータイで訓練を受けて参戦しています。最近はインドネシアやマレーシア、ベトナム、スリランカ、ブラジル、アルゼンチン、フィージからも義勇兵が集まっています。在日アメリカ軍にも志願者がかなり増えているようですからこのまま放置すればホワイトハウスが中国に乗っ取られていることを証明するようなものでしょう」記者はワシントンの防衛駐在官たちが日本の事情説明以上の質問には明確に回答しないのに比べてノザキ元将補が平然と政権批判にまで踏み込んだことに驚いた。
ヨーロッパでも義勇兵を志願したイギリス人が自衛隊で訓練を受けている様子は報じられたがドイツでは「自国民の参戦は日独伊三国同盟の復活になる」と政府が厳禁し、フランスは中国との関係への悪影響を懸念して軽く禁止した。天皇の妻と娘を受け入れているオランダでは「皇帝の家族が亡命して来るようでは敗北が近い」と第2次世界大戦の時の焦土と化したオランダと日本の記録画像を紹介していてスウェーデンはNATO圏外の戦争には関与しないと宣言したらしい。その他のヨーロッパ諸国は日本にあまり関心がなく、ポーランドやバルト3国、フィンランドでは日本への同情や義侠心よりも反ロシア感情から志願の声が上がったが追加の情報が届かなかった。
「そうなるとホワイトハウスは議会の反対を押し切ってでも日米安全保障条約の発動に踏み切るべきだと言う考えですか」「アメリカは中東やアフリカ、南アメリカでの紛争の発生を警戒しなければいけません」記者は再び予想した回答を外されて困惑した。
「と言うのは」「ウクライナ侵攻の反転攻勢でロシア軍が劣勢に陥っていた2023年10月7日に突如としてパレスチナのハマスが大量のミサイルを発射して武力衝突を発生させたでしょう。その結果、アメリカやヨーロッパ諸国の関心はウクライナから逸れてパレスチナに目を奪われた。アメリカのユダヤ系資本の財政支援もイスラエルに流れて、ミサイルや弾薬の供与はイスラエルを優先するようにホワイトハウスに圧力が加えられた。おまけに安全保障理事会ではロシアが即時停戦決議と和平交渉の仲介を提案して常任理事国としての面目を回復しようとした。あれで一定の成果を収めたから首謀者の中国が同じ手を使う可能性は高いはずよ」このインタビューは大手テレビ局でもインテリ層の視聴率が高い報道番組で用いられるが、ノザキ元将補は取材に応じる条件として編集の拒否を申し入れているので、マスコミの印象操作の常套手段であるストローマン手法(報道意図に合わせて発言の一部を抽出して放送する)は加えられない。
ち・モリヤ佳織イメージ画像
  1. 2023/10/16(月) 15:36:42|
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