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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

現在の日本人は「人間」を軽く見過ぎてはいないか?

夫の無精子症などで妊娠できない妻に第3者が提供した精子を本人の卵子に受精させた後で胎内に移植して妊娠させる不妊治療で夫が病死したのを医師に隠して妊娠した事例が明らかになりました。
このような第3者が提供した精子による不妊治療は日本産婦人科学会の会員医師向けの会告や発覚した産婦人科医院の院内基準では「出産後は民法の嫡出推定(=婚姻中の夫婦の間に生まれた子供を実子と推定する)によって父子となり得る法律婚の夫婦」に限られていて、胎内移植した時点で父親が死亡していた子供には精子の提供者に父子関係を求める権利が発生する可能性があります。ただし、この産婦人科医院では2022年から精子提供者の一般募集を始め1年間で約150人が登録しましたが、生まれた子供の出自を知る権利に配慮して昨年9月以降は18歳以上になった時点で希望すれば面会に応じる非匿名提供者の精子のみを使用するようになったそうです。しかし、これでは嫡出推定によって血のつながりに関わりなく家族として父子となった意味が喪失します。
一方、現在妊娠している女性は院内基準で「法律婚の夫婦」に治療対象が限定されていることを知りながら「子供を産みたい」と言う願望を捨てることなく夫の両親と相談の上で医師に夫の病死を隠蔽して治療を継続させて妊娠したのですが、夫婦間で子供を望む場合は「愛の結晶」であるのと同時にそれぞれが先祖代々から受け継いだ「自分たち夫婦の血を引く子供」を求めるのが一般的でこの女性は自分の血だけで良かったようです。亡き夫の両親が賛成した理由も理解できません。
野僧の同僚は結婚して10年近くが経過しても子供ができず、産婦人科の診断を受けても夫婦ともに異常がないため妻は性行為の後には「精子が子宮に入るように」と壁際で逆立ちしていました。ところがビデオデッキを購入して同僚がアメリカ軍から入手した本場エロビデオを貸したところ忽ち妊娠したため「今までやり方が間違っていたんじゃないか」と笑われましたが、その喜びは並大抵ではなく生まれた男の子にベッタリの甘い甘い父親になりました。同僚は剣道家で「息子を剣豪にする」と言っていましたが本人の希望でサッカーを始めると部隊で経験者に習って苦手な球技の相手になっていました。
ところが新婚早々の若手パイロットが事故で殉職して妊娠3か月だった妻は「中絶する」と言い張り、パイロットの両親が「息子の忘れ形見だから」「生んでさえくれれば私が育てます」「貴女は好きに生きて好いから」と泣いて懇願し、上官や同僚が説得しても聞く耳を持たず周囲の目を盗んで産婦人科へ行って中絶してしまったのです。帰宅した妻からそれを聞いた両親の嘆き悲しみは凄まじく、立ち会って制止していた飛行隊長も抑え難い怒りに震えながらも亡き同僚の無念を思うと涙が止まらなくなったそうです。
これら「子供を得ること」の悲喜を描いた実話の人間ドラマを思うと理解不能でも「子供を産みたい」と願う女性には不可解な情は感じられますが、このような人間不在の事態が横行しているようでは不妊治療を希望する夫婦とそれ行う産婦人科学会はもっと「人間学」の研鑽に励むべきでしょう。
  1. 2023/10/27(金) 13:29:37|
  2. 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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