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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

11月7日・コスタリカで「非武装」の憲法が公布された。

1949年の明日11月7日に南北アメリカ大陸のつなぎ目の地峡にあるコスタリカで常備軍の保持を禁止した現行憲法が公布されました。コスタリカは第2次世界大戦で敗北した戦争犯罪国として全面的に武装を解除されたナチス・ドイツや日本とは違いアメリカ合衆国よりも早く宣戦布告した勝者=連合国側なので軍隊を保持しない=非武装の憲法はあくまでも自発的な意志と選択です。
日本ではかつての社会党は「日本国憲法第9条を実現する」と称する非武装中立論を「非現実的だ」と批判されると「コスタリカは非武装中立の憲法でも独立を保っている」と反論していましたが、日本の国土はコスタリカの7.4倍、人口は25.2倍、名目GDPは82.2倍なので比較対象にはならず、何よりもコスタリカは1983年に周辺国の紛争に介入するアメリカ合衆国に利用さることを嫌った大統領が「永続的非武装中立」を宣言しても実態は非武装中立ではなく警察の公安部隊と沿岸警備隊を重武装化して初動対処能力を整えているだけでなくアメリカ合衆国が南中北アメリカ大陸の軍事的安全を保障するアメリカ州機構に加盟していて、さらに国家が非常事態に直面した時には国会議員の3分の2の議決で徴兵制による軍隊の組織する有事規定も網羅しているので実際に隣国・ニカラグアの治安が悪化して越境しての略奪などが頻発するようになると民兵を組織して国境監視を強化したため「コスタリカは(事実上の)軍を展開している」と批判されました。また1965年のドミニカ内戦の時にはアメリカ州機構が派遣した平和維持軍に武装公安部隊を参加させました。
コスタリカは1502年にコロンブスさんが上陸して以来、スペインの植民地になりましたが産出する資源が乏しく、ヨーロッパ人の渡来によって流行した疫病で人口が激減して農地の開拓も進まなかったため放置されていました。ところが1789年にフランス革命が起こるとヨーロッパの政情不安はアメリカ大陸の植民地にも波及し、各地で独立運動・解放戦争が発生して中央アメリカではスペインのグアテマラ総督府領が1821年に中央アメリカ連合州として独立した後、翌年にメキシコ帝国に吸収されますが内戦の結果、それぞれ独立することになりコスタリカも1839年に独立しました。
ところがスペインの統治が緩かったこともあり主要産業であるコーヒー農園はヨーロッパ諸国やアメリカが勝手に開拓して経営していたため国内に傭兵を雇い入れて内戦が絶えず、その混乱が中央アメリカで最強になった軍隊によって鎮静化してからも国家権力を巡ってクーデターが頻発して国民の間に軍隊に対する不信感と嫌悪感が醸成されてアメリカを後ろ盾とする「軍縮」が政権を維持するための基本政策になっていきました。そしてとどめが1948年に大統領選挙の不正を追及する敗者である野党が起こした反乱で、この内戦に勝利して政権を奪取したホセ・フィゲーレス・フェレール大統領=政権よって制定された現行憲法に第12条「常設的機関である軍隊は禁止する」の条文が加えられたのです。しかし、激動の中央アメリカ情勢の渦中にあっては日本と同様に軍隊ではない防衛組織・ジエータイを設置するべきかも知れません。
  1. 2023/11/06(月) 15:46:06|
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