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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ660

「相変わらず国土交通省は北京の指令を受けて動いてるんだな」「それは運輸省時代からでしょう」「83空ではアラート(緊急発進)でランウェイ(滑走路)に出ようとしてもATC(航空運行管制)に止められて、ようやくエンド(滑走路の端)に出られるとタワー(管制塔)にブロー(発砲)したくなりましたよ」防衛部長が電話の内容を説明すると戦闘機パイロットの航空方面隊司令官と幕僚長は妙に軽い口調で揶揄し合った。
今回の事態も100機を超える旅客機の大編隊を日本の国内空港に着陸させるフライトプラン=飛行計画を書式の審査だけで受理した時点で既に怪しく、こちらもフライトプランを提出している航空自衛隊の対応を管制レーダーで監視する一方で航空無線も傍受して情報収集に異常な執着を見せている。そして航空自衛隊が大編隊の阻止に動いていることを察知すると閣議中の国土交通大臣に通報して伝統的に亡国派閥の石田首相と上山外務大臣に非難させて政治的圧力を加えてきた。同時に広島空港では県教職員組合と地方自治体の公務員労組に反核団体が同調して広島市内の海田市駐屯地を包囲して第40普通科連隊の派遣を阻止している。ここまで大規模で巧妙な策略は北京が家元だ。
運輸省は日本の物流輸送を停止して産業と国民生活を崩壊させるストライキを共産主義革命闘争にしていた国鉄労働組合や港湾労働組合を抱えていたため組織として迎合する体質が出来上がって建設省と合併して国土交通省になった後も職員の公務員労組は反米反日親中を公然化している。それは教職員組合の顔色を窺って子供の負担軽減を名目にする学力低下によって日本人の劣化を推進してきた文部科学省と五十歩百歩だ。
「ストレート、ディス・イズ・ギャオス01、チャイナのアサインはまだか」「今、SOCの回答を待っている。スタンバイ」その時、西部航空方面隊指揮所に階下の防空指令所と第8航空団の飛行隊長の交信が聞こえてきた。防衛部長がモニター映像を見ると110本の短い線の束の大編隊は韓国領の済州島の南、長崎県の鳥島と男女群島付近の領空に接近している。これだけの大編隊が接近しているにも関わらず常に過剰反応する韓国空軍は戦闘機を発進させていない。これは現政権になっても水面下では中国との関係が存続していると見るべきか、それとも航空自衛隊が緊急発進する口実を与えないために国土交通省が事前に手回ししたのか、どちらの可能性もある。
「上からの中止命令を待っていても仕方ありません。チャイナを割り振って担当を決めます」「うん、ただし私の実施命令を待たせろ」「はい、シニア(先任指令官)、アサインを送る。デニム、ギャオス(第8航空団の各飛行隊のコールサイン=仮称)、プラム(第5航空団のコールサイン=仮称)に伝達しろ」「ラージャ」防衛部長の連絡を受けてモニター画面は中国機の大編隊を拡大表示して1機ずつの航跡に番号を表示していった。続いて集団を枠で括り、随伴している戦闘機のエレメント(2機編隊)の航跡と線で結んだ。その頃、防空指令所では総動員されている兵器管制官たちがコンソールで戦闘機に担当する中国機を目視で確認させていった。
「総理、この110機の大型旅客機に地上部隊が搭乗していれば3万人を超える大兵力になります。少なくとも空港に自衛隊を配備しておくべきではありませんか」閣議室では大原防衛大臣が航空自衛隊機の撤収を命じた石田首相に反論していた。大原防衛大臣は中央指揮所で自衛隊の対応を監督している宮谷防衛副大臣から逐次報告を受けていて今回の自衛隊の認識を「十分あり得る」と共有していた。
「折角、新潟の事態がこちらの望む形で終結したんです。今こそ外交交渉によって関係の修復を実現しなければなりません。そんな時に自衛隊が民間機に敵対行動を執ることは許されざる暴挙です」石田首相が即答しないのを見て上山外務大臣が口を挟んできた。この様子は出来が悪い弟が学校で苛められると駆け寄ってきて相手を負かす頼りになる姉のようだ。この意見も石田首相の本音の代弁だろう。
「外交の基本は信頼の構築、つまり相手を信じること。相手を敵視する防衛省とは違うんです」「その大臣が信じている中国では『戦争は血を流す外交、外交は血を流さない戦争』と言っていますよ」大原防衛大臣の指摘に何故か石田首相が不快そうな顔をした。
  1. 2023/11/07(火) 14:09:31|
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