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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ662

「外務大臣、閣議で唐突に在日中国人の大量出国の話が出まして所管大臣として驚いております。そこでウチの役人に確認させましたところ法務省としては現時点で在日中国人の数万人単位の一斉出国の手続きは受け付けていないようです。大臣は3度勤められた職務ですからご存知かとは思ったのですが、法務省としては国土交通省が飛行計画を受理した今回の旅客機の運航目的が出国とは認められません」石田首相と上山外務大臣がモニター画面の中央指揮所の自衛官たちが中国機の大編隊を領空に侵入させたことに無力感を味わっているのを見て満足そうにうなずき合っていると古泉法務大臣が声をかけてきた。古泉法務大臣は東京大学法学部出身で上山大臣夫婦とは同学年だが法曹界には進まず大蔵省官僚になり、44歳で退官して1996年の衆議院選挙に無所属で出馬したが落選、ところが2000年の選挙では自民党の現職を破って当選しながら自民党に入党した。そのため党内では傍流に捨て置かれて同じ苗字の首相が強行した郵政民営化に反対して離党すると自民党の党外派閥のような議員集団として活動しながら選挙では自民党が擁立した候補を破り続けた。おまけに2017年に復党したものの選挙には無所属で出馬して当選した奇人なので当選回数と学歴だけで法務大臣に抜擢した石田首相には逆らえないはずだ。これも元大蔵官僚的に手抜かりがない業務報告のようだ。実際、飛行計画では着陸予定空港にしている岡山空港、広島空港、山口宇部空港には出国するはずの在日中国人は姿を見せていないらしい。
「それは拙い。自衛隊が言ってる通りじゃないか」「国土交通省は何をやってるの。チェック機能が働いてないじゃない」面目を失った石田首相の焦った態度を間近で見た上山外務大臣が小母さんらしい金切り声を上げると名指しされた西藤国土交通大臣が苦々しげな顔を向けた。西藤国土交通大臣も古泉法務右大臣と同じく閣議で今回の飛行計画が思いがけず問題になると別室の専用電話で自衛隊側が指摘する兵員運搬の可能性について確認していたのだ。すると「書類上の不備がないから受理した」と言う回答で自衛隊側の指摘を否定するだけの確認は行われていなかった。そこで切った電話で正大党本部に電話をかけて対応を協議した分、席に戻るのが遅くなった。正大党本部では「石田首相が問題化すれば今回の戦争に抗議して連立与党を解消すると脅せ」との指示だった。
「国土交通省としましては今回の旅客機の飛行計画の審査と法務省所管の出国手続きは別の問題であると考えています。あくまでも飛行計画は航空路上の航空機の密度が確保され、着陸する飛行場との事前調整がなされていれば・・・」「総理、中国機の編隊が伊丹空港、成田空港への緊急着陸を要求しています」西藤国土交通大臣が官僚に教えられた言い訳を弁じ始めるとそれを遮るように秘書官が声をかけた。モニター画面には西部航空方面隊エリアの航跡図が映っているが大編隊は瀬戸内海上空を塞ぐように進行し始めている。本来であればA1(アルファー・ワン)と呼ばれる高知県沖の太平洋岸上の航空路を西に向かって紀伊水道から北上して伊丹空港=大阪国際空港、房総半島を迂回する形で成田空港に接近するのだが船舶の交通量が多く、沿岸には都市が並ぶ瀬戸内海を選んだのは自衛隊による強硬手段を封じるためなのは明らかだ。
実際、西部航空方面隊は今回の飛行計画が届いた時点で陸上自衛隊の西部方面隊と中部方面隊、海上自衛隊の佐世保方面総監部と対応を協議し、戦闘機による撃墜が不可能になり、自衛隊基地への強制着陸も確証が持てなかったため西部方面隊は竹松駐屯地と飯塚駐屯地、中部方面隊も青野ヶ原駐屯地のホーク部隊に発射準備を命じていた。それだけでなく陸上自衛隊は九州と四国、中国地方の大型旅客機が着陸可能な空港と美保、築城、新田原、岩国の各航空基地に携帯式の地対空ミサイルと対戦車ミサイルを装備した普通科部隊を配置して中国機から兵員が姿を表せば即座に攻撃を加えて機体ごと爆発・破壊する準備を整える計画だった。しかし、第13旅団は規模が小さく3個の普通科連隊も全て本部管理中隊と3個普通科中隊で編成されているため1カ所に1個中隊しか配置できず、しかも旅団司令部がある海田市駐屯地では反対派が全ての門の前に私有車を止めてバリケードを作り、その前に人間が座り込んで封鎖したため現時点でも広島空港と岡山空港に到着できていない。このままでは東海道の上空を通過させることになる。
  1. 2023/11/09(木) 16:38:44|
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