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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

鹿が消えた!やはり自然界に天敵は必要なようだ。

野僧が住む限界集落では十数年前から鹿が増えて山の餌では足りなくなったのか夜間、それも暗夜にだけ姿を見せて庭木の葉や草花を食べるようになりましたが、それでも人間が戸を開けると逃げました。また畑に設置してある防鹿用の柵を越えることはなく鹿避け装置の音響や光には敏感に反応していました。
やがて人間が危害を加えないことが判ると警戒心を緩めて白昼堂々現れて庭木の葉を食べるようになり、その頭数が次第に増えて今では小庵の庭でも昼間は10数頭、夜間にはその倍数の群れが牧場のようにたむろしていて、庭の草を綺麗に食べるのなら許せるのですが口が肥えたのか食感が悪い柴系統=平行葉脈の草は食べなくなり、網が掛けてある鉢植えを引き出して葉を食べるようになりました。畑の侵入除けの柵も農家の高齢化で管理が行き届かなくなると僅かな隙間を押し開いて侵入して野菜を腹一杯食べ尽くしていきます。こうなると完全な害獣なので駆除の対象ですが、全国的に猟友会の会員は高齢化している上、駆除依頼が殺到しているため順番待ち状態で、中には待ち切れずに「鹿の餌を作っても仕方ない」「どうせ先は長くない」と耕作を放棄してしまう農家が続出しています。
そんな当地で10月30日に朝の鐘を打った野僧と仕事に出かける隣家の娘が空き家1軒を挟んだ庭から墓地がある裏山辺りから聞こえてくるド迫力の雄叫びを聞きました。すると翌日には集落内の休耕田で餌を探したのか歩き回った大きな足跡が見つかり、両方の情報が別ルートで広まったため数日後に持ち寄る形になり、ようやく口コミ「熊の出没」警報になりました。ただし、その頃には町内でも数十キロ離れた集落で熊の目撃情報がニュースになっていて集落での出没は過去形で語られることになりました。
ところがこの熊の出没情報と相前後して昼夜を問わず田畑や公園、空き地から住宅の庭、車道を徘徊していた数百頭単位の鹿の群れが一夜にして姿を消し、時折、逃げ遅れたらしい小鹿が鳴きながら歩き回り、群れが食べ残した草や木の葉を口にして山に帰っていくことを繰り返しています。この状況に住民たちは「山の奥で鹿が熊に捕食されたため恐怖心に駆られたボス鹿が別の山への逃亡を決意し、暗夜に移動したため群れから離れていた小鹿が置き去りにされたのではないか」と推察しています(山口県は大規模な天災が起きないため動物の危険回避本能とは考えない)。
それにしても人間の駆除では全く追いつかなかった鹿の大群が一瞬にして消えたのですから自然界の天敵の威力は絶大です。以前、鹿や猿の獣害が問題になった時、一部の学者の「輸入した狼を山に放して天敵を作れば良い」と言う意見が暴論として失笑を買いましたが、今回、それが卓見であることを目の当たりにしました。問題は熊や狼などの天敵にとっては逃げ足が早い野生動物よりも狩猟を放棄した人間の方が容易に捕食できる獲物であり、現在、全国で続発している熊による被害が更に増加する可能性が高いことです。
絶滅した日本狼は海外の狼に比べて極めて小型で「同一種ではない」とする山犬説が有力なので輸入して野生化すれば生態系を乱す恐れがありますが、月の輪熊は土着の固有種ですから上手く付き合う方法を模索するべきかも知れません。
  1. 2023/11/10(金) 15:13:23|
  2. 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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