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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ672

新潟のロシア軍が壊滅させられると今田菊子=本間郁子2佐は息子の景虎を夫の杉本2佐に任せて台湾に長期出張していた。岡倉2佐は韓国で北朝鮮の情報収集に当たっている。自衛隊の非公式=非合法の海外情報組織を指揮する松山千秋1佐は新潟に侵攻したロシア軍には北朝鮮軍が半数以上動員されていたことを察知していて次の中国の動きを予測するための情報収集を先行的に着手していた。
「かなり世論統制を強化していますね」「それは当然だろう。解放軍3万人を海軍が殺したとなれば一般の人民は押さえられても軍内で暴動が起きかねん」本間は中国の細菌兵器=新型コロナの蔓延で渡航できなくなった間に退役した王茂雄(ワン・マオシィォン)少将の紹介と推薦で現在の防衛部指揮部でも引き続き国軍情報士官に準ずる待遇を受けることになり、大金門島の通信傍受組織で中国国内の放送や通話を盗聴している。
大金門島ほか21の島で構成されている金門県は台湾島からは台湾海峡を隔てて200キロでも大陸とは2キロ強しか離れておらず、対岸は人口865万人の泉州市なので流石の中国共産党も電波を封止することはできないのだ。
「それにしても大型旅客機を100機も掻き集めて3万人の部隊を送り込んだとなると共産党内でも執行部に対する批判が広まっているようですね」「現執行部は我が国の併合を公約にして異例の3期目を奪い取ったんだ。それを弱腰と舐めていたアメリカの高齢者(=大統領)が阻止することを公言したんだから同じように弱腰が首相になった日本に標的を変更した。それが上手くいかないようでは異例の任期を満了できるかは判らなくなる」本間の監視を兼ねて同席している台湾軍の長貞治(チャン・チャンチー)中佐は国際事情を復習させた。2022年7月8日に暗殺された加倍首相は台湾有事への周辺事態法の適用を含む日本の直接介入を明言したことで実態は中国の反日工作機関と化している韓国の宗教団体に洗脳されている信者2世に銃撃された。石田政権としてはそれを隠蔽したが真相を知った自民党内の対中強硬派は完全に腰が引けてしまい台湾と天秤にかけた中国の武力行使にも防衛出動の発令を要求する声は起こらなかった。
「しかし、中国艦隊を自衛隊と在沖縄アメリカ軍が通過させるのかな」「現在の海上自衛隊の武力行使の根拠法令は『海上における警備行動』に基づく警察権の行使なんです。軍艦旗で国籍を明示して国際ルールを守って堂々と国際海峡を通過されると手出しできません。潜水艦が浮上しないで通過すれば可能ですが」「いまだに日本政府はこの事態を戦争と認めていないんだな。ジエータイは良くここまで戦ったもんだよ」「それは創設された時からの境遇で身につけた防衛生活の知恵ですね」本間の説明に長中佐は呆れるよりも自衛隊に同情と敬意を重ね合わせた顔でうなずいた。
本間も日本で勤務していた頃には古参の隊員たちから聞かされる昔話を日陰者の恨み節としか思っていなかったが、ニューヨークに赴任して松山1佐の前任者の工藤元1佐にその日陰で自衛隊の非合法組織が何をやっていたのかを教えられて考えを改めた。
数年前、日本では共同通信の元記者が自衛隊の元諜報要員に取材したと称する暴露本を出版したが時代的背景から創設された経緯、活動実態の大半が虚構だった。強いて言えば日陰に照明を当てて存在を広めたことだけが功績だが、それは昭和53年に日本共産党の赤旗新聞社が出版した「影の軍隊・『日本の黒幕』自衛隊秘密グループの巻」の二番煎じに過ぎない。工藤元1佐から借りたその本では望遠レンズで撮影した陸上幕僚監部第2部別室の室長とされる人物の不鮮明な顔写真まで掲載されていた。
「そうなると在沖縄アメリカ軍に期待するしかないな」「多分、殺るでしょう。アメリカ海軍と海上自衛隊は太平洋を横断する輸送船団の護衛のために有力な艦隊を展開していますからそれを使えば1894年9月17日の黄海海戦の再現です」本間が日本海海戦と言わなかったのは優秀な教官に囲まれて集中講義を受けている成果だが、太平洋上ではすでに中国海軍の巡洋艦5隻がアメリカ海軍の潜水艦によって撃沈されていることは知らなかった。在日アメリカ軍と自衛隊は今回の中国の侵攻方法を次の段階に踏み出す予行と捉えて徹底的な壊滅を図っていた。これは防衛出動と日米安全保障条約が発動されていない同盟軍の暴走として影の戦史には刻まれるだろう。
2・今田有紀子イメージ画像
  1. 2023/11/19(日) 15:16:35|
  2. 夜の連続小説9
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