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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ680

「そろそろ麻酔薬の効果が薄れてきたな」岡倉は若い頃には身心共に「性獣」そのもので世界各国の女性たちを快楽に溺れさせて利用していた杉本が何故か持っていた男性更年期の治療剤=通称・回復薬の効果が続いている間は性行為を続けていた。しかし、それはあくまでも人体実験だった。純潔を奪われた高仁智少佐は破瓜=ロストバージンの苦痛ではなく性的な快楽に反応し始めた。実際、乳首や腰骨、腿や首筋などのいわゆる性感帯を刺激すると身悶えして喘ぎ声を上げる。やはり50歳を過ぎるまで男性を受け入れたことがなかった女性器が性的興奮剤を吸収すれば普通の女性よりも効果が強いのかも知れない。岡倉は冷静に観察しながらスマートホンで撮影を始めた。動画映像の中で悶え狂っている高仁智少佐は数分前までバージンだった面影はなく熟女のAV女優、それも淫乱熟女にしか見えない。やはり完全に狂ってしまっている。
「お姫さん抱っこで運んでやるのがせめてものお礼だぜ」岡倉は実験を終えるとシャワーで自分と高仁智少佐の全身を洗い流し、バスタオルで拭き直して素肌に洗濯機の上に置いてあったバスローブを着せた。そうして抱き上げるとテーブルやテレビとCDプレーヤーが置いてあるリビングを通って2間の個室のベランダ側の部屋に置いてあるシングルのベッドに運んだ。シングルでも軍隊のベッドに比べれば広いので誰かと一緒に寝る予定がなければこれで十分なのだろう。
岡倉は仰向けに寝かせて少し開(はだ)けている胸元を直そうと思ったが杉本の説明によればイギリスの性的興奮剤は何らかの刺激によって激的に性欲が燃え上がるように作られているので今は身体に触れることは控えた。足元に畳んである毛布2枚を柔らかく掛けたが安らかな寝顔になり、静かな鼻息を立てている。
部屋を出る前に室内を見回すと壁にはダビンチの聖母子の複製画のパネルが飾ってある。知愛も居間の壁に飾っているが同じルネッサンス期の巨匠でもラファエロが好みだ。低いクローゼットに敷いた布の上には大き目のロザリオが寝かせてあった。この大きさでは重量があるので日本式に木製の梁がないマンションの壁に両面テープで貼り付けるフックでは支え切れないかも知れない。知愛はミサの時に首に掛けるロザリオの鎖を寝室の壁のフックに掛けているので場所は取らない。
「アンタも陸軍少佐なら冷静に対応することだ。アフガニスタンで部下の田智賢1等兵が集団暴行を受けた時には極めて冷淡に対応したんだろう。士官なら我が身でも受けるべきだ」もう一度、高仁智少佐の寝顔を見下ろすと窓からカーテン越しに差す月明かりが口の横の法令線や目尻の小じわまで照らし出していた。
岡倉は知愛がアフガニスタンに派遣された韓国軍衛生部隊が人道的医療活動を実施していながら地元民の強い反発を買った問題を裁く軍事法廷で検事補佐を務めた時、非公式ながら現地調査に当たった者として個人的に深く関与した。アフガニスタンでは田智賢1等兵が恋人の白一色上等兵と廃墟で性行為に及ぼうとしていたところを診療所で入院患者がイスラムの戒律を否定された上、カソリック式の生活を強要されていることに憤慨している現地人男性に襲われて集団暴行を受けた。1人で逃げ出した白一日上等兵は部隊の小銃を奪って助けに戻ったが既に男たちは去った後で呆然自失している田智賢1等兵を背負って帰った。そこで医官でもある隊長が集団暴行を受けたことを察知したのだが、高仁智中尉は「日頃のふしだらな生活が原因」と指弾して服用を指示した避妊薬も「バチカンが認めていない」と投薬を拒否した。その冷淡さを自分に向ければ冷静に今回の事実を受け止めるしかない。冷静過ぎれば勤務している衛生隊で医官の診察や血液検査や膣内粘液の採取を受けるかも知れないが、薬剤はイギリス製なので岡倉に疑いが及ぶことはない。岡倉としては高仁智少佐を若くて精力が漲り、杉本の懇切丁寧な指導を受けている間宮リンゾーと近藤ジューゾーに譲り渡して、かつて杉本が有名ジャーナリストだった安楷林を使って韓国政界の情報を収集したように在韓国軍内部の情報源させるつもりだった。ただし、高仁智少佐は2人よりも20歳前後は年長なので性行為の相手の相手としては不満が出そうだ。帰る前に岡倉は家の中に生理用品がないのを見て高仁智少佐が「閉経=更年期」になっていることを確認した。
  1. 2023/11/27(月) 16:52:35|
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