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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ682

北海道ではロシア軍が攻撃を加えた稚内から網走までのオホーツク海沿岸と北方領土の対岸の根釧台地を除く地域の住民の避難=疎開が解除された。一方、これらの地域には北部方面隊が師団・旅団隷下の各戦闘施設大隊と第3施設団隷下の第12、13、14施設群を投入して地雷の撤去と破壊された公共施設の復旧に当たらせている。
北海道知事としては新潟の復興作業で収容された遺骸から上陸したロシア軍の大半は北朝鮮軍の兵士であることが判明していてウクライナ侵攻で消耗した戦力が回復できておらずミサイル技術の供与と引き換えに動員したとの推察から「再度の侵攻の危険性は低い」と見て自衛隊の仕事が終わり次第、全道民の避難を解除するつもりだった。
「根釧地区の対人地雷の撤去はまだ完了していません。兎に角、ロシア軍がヘリコプターで大量にバラ撒きましたから。新型兵器なので処置する隊員も未経験なんです・・・・」札幌駐屯地の北部方面隊総監部には帰宅できない住民からの問い合わせの電話とメールが殺到し、中には駐屯地に押しかけて警衛隊の歩哨相手に押し問答する道民も続出している。このため不眠不休の戦闘の指揮を終えて交代で休暇を取るはずだった総監部の隊員たちは想定外の電話とメールの対応で総動員されていた。
「来年の耕作の準備をしなければならない農家の皆さんの事情も良く判ります。しかし、現時点でも畑から対人地雷が見つかっていますので自衛隊としてはまだ『安全だ』とは言えないんです」陸上自衛隊の施設部隊は日本のPKO活動が他国のような停戦監視や治安維持ではなく公共施設の復興工事を主任務にしているため戦場だった地域に派遣されて本物の地雷の撤去にも熟練してきたがウクライナでロシア軍が使用しているPOM3は人間が歩く振動を小型のセンサーが感知して作動するため作業に当たる隊員は徒歩による移動にさえ細心の注意を払わなければならない。
北部方面隊の施設部隊は最初のカンボジアPKOにも第2次派遣隊として参加したがポルポト派と政府軍の双方が相手の動きを遮断するために大量の対人地雷を埋設していた。それでも自衛隊の活動地域は主戦場から離れていたので作業現場での探索と処置も武勇伝として語る実戦経験程度で済んだ。あれがPOM3であれば国際連合カンボジア暫定統治機構=UNTACにも犠牲者が出たはずだ。
「こんばんわ、こんばんは、こんばんわ。もう1つおまけにこんばんわ。雪うさぎです。札幌からお送りしてきた私の北海道を守る自衛隊さんを応援するFMラジオ番組も今日で最後になりました。自衛隊の皆さんだけでなくこちらに避難して来られていた道民の皆さんも長い間聴いていただいて本当に有り難うございました」道知事の要請で雪うさぎ=森田照子が担当することになったFMラジオの自衛隊向けの番組も最終回を迎えた。
多くの旭川市民は自宅に戻り、子供たちの学校も再開されたので両親と叔父たちが守ってきた牧場に帰るのだ。旭川では放送局が無事だったこともあり、ローカルFMラジオ番組の再開の準備は整っている。ただし、屯田兵=即応予備自衛官として戦闘に参加した夫・安川和也予備2曹は旭川市郊外の小中学校に設置された捕虜収容所で勤務していたらしいが、学校が再開されるため閉校になった山間部の学校に移動したらしい。ただし、戦闘態勢にある自衛隊からは一切説明がない。
「番組を始める前に道(自治体としての北海道)からまだ帰宅できていない避難者の皆さんに連絡があります。ご存知のようにロシア軍は占領していた網走市周辺や上陸した根釧地区に大量の対人地雷を敷設していて現在、自衛隊が撤去作業に当たっています。早く畑の耕作準備を始めたいと言うお気持ちは十分に理解できますが万が一、対人地雷が爆発すれば極めて危険です。ご協力をお願い申し上げます」照子の番組では取材に入った記者が自衛隊の陣地の位置を暴露し、情報を漏洩したため立ち入りを禁じてからは推測と捏造で「自衛隊が劣勢だ」「敗北は近い」と報道していた東京の大手マスコミとは別に北部方面隊と北海道庁の公式発表を放送してきたため絶大な信頼を獲得している。捕虜の証言ではロシア軍も日本語ができる兵士が通訳して戦友たちに放送内容を解説していたそうだ。樺太や北方領土で勤務していたロシア兵は日本のテレビやラジオを視聴できるので国営放送のロシア語講座で逆に日本語を学んでいるらしい。
  1. 2023/11/29(水) 19:22:34|
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