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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ698

「私の国家は中国に支配されているのですか」佳織のアメリカで進んでいる中国による政治工作の説明にインタビュアーは重い口調で質問した。これまでアメリカのマスコミは「中国の武力行使は日韓の軍事衝突に対する国連憲章に基づく安全保障理事会常任理事国としての懲罰行動であり、日本が防衛出動を発令していない以上、発動義務が生じる戦争ではない」と説明してきた。しかし、ノザキ佳織元将補が帰国して(実際は「帰化」だが)ハワイの日系人団体の理事に就任してからは事実上の戦争状態にあることを訴え、それを男女のイギリス人記者が現地取材した記事が証明した。2人の新聞社はアメリカでの事実の周知に積極的で英文だけにアメリカでも容易に転載できた。
「私は日本で石田首相が選挙区のマスコミの世論操作に妨害されて防衛出動を発令できないでいるのを歯噛みする思いで見てきましたが、まさかアメリカでもここまで中国の政治工作が進展しているとは思いませんでした。確かに貴方たちマスコミも株式を在アメリカの中国資本に買い占められて批判報道を封じられているのではないですか。香港問題でも報道はかなり弱かった。あの時、私はフィリピンの防衛駐在官だったから対岸で事態を注視しながら各国の報道を見比べていたけどイギリスに完全に負けていたわね」佳織の批判の矛先がマスコミに向いてインタビュアーはスタジオのカメラの横に立っているディレクターと目で話し合ったが生放送なので打つ手がない。
「それはマスコミに限らず学術の世界でも同様です」「と言うと」「日本では新型コロナ・ウィルスの細菌の遺伝子の解析を継続していますがその結果、アミノ酸の遺伝子の配列が自然界の発達では絶対にあり得ない人為的操作の跡が確認できて細菌学界に論文を発表したんです」「つまり新型コロナは中国の細菌兵器であることが証明されたんですね」「その通り」佳織は表情を重くしてユックリ深くうなずいた。
「当然、研究仲間であるアメリカの研究者たちにも結果を通知したんですが黙殺されたので再度問い合わせたんです。すると『興味がない』『面倒臭い』『流行遅れだ』と言う回答が返ってきました」思いがけない展開にインタビュアーは身を乗り出した。この方向で話題が進行すれば予定外の重大情報を提供できる。
「その時、研究仲間の1人がアメリカでも2020年4月に香港から亡命してきた閻麗夢(イェン・リーモン)博士が『新型コロナ・ウィルスは武漢の細菌兵器研究所から流出した』と発表したけど彼女は生命の危機に陥っていると助言してくれたそうです」「その発表はコロナ対策の陣頭指揮を執ったロバート・レッドフィールド・ジュニア博士も賛同しましたが確かに我々は取り上げなかった。しかし、それが中国の世論操作なのかは判りません」インタビュアーが否定しなかったためディレクターが険しい目で睨みつけた。
「尤もWHOや人権委員会、UNICEFを始めとするスイスにある国際連合の機関も完全に中国の支配下にありますからアメリカだけではないでしょう」「WHOは新型コロナを理由にしたパンデミック条約によって権限の強化を図っていますからね」ここでインタビュアーは逸らした話題をさらに遠ざけようと違う趣旨の質問をした。
「ゼネラル・ノザキはアメリカの内情に随分詳しいようですが日本からどのような想いで見ていたのですか」「私は中学生の時に日本へ帰りましたがインターナショナルに入学したのでアメリカ式の教育を受けました。大学もアメリカに留学しています。それでも留学中に母が病死したので高齢になっていた祖父母のために日本で働くことを決めて陸上自衛隊に入ったのです。そのおかげでアメリカ陸軍の指揮幕僚大学院に留学して太平洋軍司令部でも勤務することができました。そんな生活で私の中に半分流れているアメリカ人の血を自覚するようになって祖国としてアメリカを見詰めてきました。ただし、私はブディスト(佛教徒)ですからクリスチャンのように正義を先に立てるようなことはしません。因果応報、原因があるから結果が生じると考えます。だからアメリカの行動も是非を冷静に分析・評価して誤りを無理に正当化すのではなく原因を探求するのです」「アメリカも誤りを犯していますか」「9・11からの対イスラムの戦争は正当化できません。私は指揮幕僚大学院に留学していましたがアメリカの狂気を実感していました」このインタビューも大きな反響を呼び、インターネットで中国に籠絡された政治家たちの名前が公表された。
  1. 2023/12/15(金) 15:11:42|
  2. 夜の連続小説9
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