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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ702

「今度は韓国艦かァ・・・」東シナ海の中国海軍の軍港からの航路に配置されていた海上自衛隊の潜水艦の内、どんりゅうは済州島沖に回航するように密命を受けていた。配置予定海域に接近してレーダーを海面に出したどんりゅうの艦内では「韓国艦隊の航跡を捕捉した」との報告を受けた艦長が重い声で呟いた。
どんりゅうは奄美諸島に向かっていた輸送艦隊を沖縄航空基地の対潜哨戒機が撃沈されて海上輸送能力を喪失した中国軍が近距離航路の大型クルーズ船を集めて出港した船団を撃沈している。その後の中国海軍の遺骸や装備品の回収作業が長期間・大規模だったことでかなり大規模な部隊を乗船させていたことが判明したが、中国側は「日本人から迫害を受けている在日中国人を帰国させるため」と言う口実を訂正していないで今回の大型旅客機の大編隊でも踏襲している。
「石田総理は韓国の大統領と話し合うって言ってるんでしょう。近いうちに外務大臣が韓国に行く予定だってニュースで見ましたよ」「今回も海上における警備行動とは別に人知れず沈めるんだ。終われば佐世保に寄港する」通信長は交代喫食の食堂で日本のテレビのニュースを見たらしい。今までは理解不能で不快感ばかりだった中国語の番組ばかりだったが日本に近づいてようやく入るようになったのだ。
それにしても石田首相は意識を失っている間に立野官房長官が臨時代理として準備を整えた新潟のロシア軍の制圧が終わり、続く中国の民間航空機による奇襲作戦も関西空港で自衛隊が破壊した2機以外は行方不明として決着をつけたのでマスコミが言う通り「事態を終息させる好機」と考えているようだ。結局、石田首相は韓国国内では日韓の武力衝突を前政権が「自衛隊側が敵対行動を取ったため反撃した」と説明した虚偽が信じられて反日感情が「怨」になって炎上していて軍内でも本格開戦を要求する将兵が大半派を占めてシビリアンコントロールが機能しなくなっていることを理解していないのだ。
それ以上に問題なのは佐世保で使用した魚雷を補充すれば調達・補給上の記録が残り、外部に漏れる危険性が極めて高いことだ。航空自衛隊のミサイルであればアメリカ空軍と共通しているので虚偽の使用実績を作って員数外を回してもらうことも可能だが海上自衛隊の魚雷は帝国海軍以来、世界最高水準の性能を誇る国産なので製造する防衛産業から運送業者、身内の補給部隊の隊員個々まで緘口令は徹底しなければならない。
「自衛艦隊司令部からの段取りでは海保(海上保安庁)の巡視船が中国漁船を臨検して武器等が発見されれば拿捕する。臨検を拒否すれば武器使用で拿捕する。武器を使用して抵抗すれば対潜哨戒機が参加して攻撃する。そこに韓国海軍が参戦してくればウチの出番だ。問題は日本海側でも韓国の漁船団が離島に迫っているらしいことだ」「第7管区では二正面作戦は無理でしょう。それでなくても手持ちの巡視船が少ないんですから」艦長の確認の説明に砲雷長が疑問を呈した。九州北部から山口県までを管轄する第7管区海上保安本部は担当海域に離島が点在するため装備する80隻の巡視船艇の内4隻を除けば近海用小型巡視艇だ。そのため今回も九州南部から奄美諸島の外洋を管轄するため多くの大型巡視船を保有する第10管区海上保安本部や海上自衛隊佐世保総監部の支援を仰ぐべきだが迎撃する戦力は秘密に属するので現場に伝達される情報も限定されて実情は判らない。海空自衛隊は必要最小限の防衛力でソビエト連邦=ロシア、中国と言う世界有数の軍事大国に対峙・対処してきたため必要によって融通を利かせる柔軟性が身についているが海上保安庁はお役所的縦割り意識が強いので不安ではある。
「相手は韓国海軍とは言え一応は軍用艦艇だ。反撃されて殺られないように回避行動は万全を尽くせ」「判りました。韓国海軍に撃沈されれば海上自衛隊の名折れです」艦長の指示には航海長を兼務している副長が答えた。韓国軍は朝鮮戦争で北朝鮮軍と死闘を繰り広げただけでなく軍事クーデターで政権を奪った陸軍が絶対的な権力を握っていて海軍は空軍よりも下位に甘んじている。実際、艦艇も性能も極めて性能が落ち、フリゲート艦・天安の沈没など設計上の欠陥が原因と明らかな事故が続発していて海上自衛隊も朝鮮半島有事に参戦すれば単独で制海権を確保する必要性を痛感している。尤も、北朝鮮軍はそれ以下で海軍の体を為していない。それが何故か敵に回されている。
  1. 2023/12/19(火) 14:36:14|
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