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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

2月6日・「日本の」小沢征爾さんの逝去を悼む。

日本では人気ナンバー1の指揮者・小沢征爾さんが2月6日に自宅で心不全のため亡くなっていたことが明らかになりました。88歳だったそうです。
野僧は安倍晋三首相が暗殺された後に朝日新聞を中心とする亡国マスコミが業績のみならず人格までを誹謗・冒涜する報道を繰り替えし、それに一部の言論人たちが同調したのを見て以来、訃報に対して否定的な見解を述べないようにしていますが小沢さんに関してはマスコミが繰り返す「世界の」と言う冠詞については疑問を呈さなければなりません。
野僧は現役時代、アメリカ軍の友人と飲むことが多かったのですが酔った先輩の妙な質問を通訳させられました。例えばプロレス・ファンが「アントニオ猪木を知っているか」と質問すると「ラテン系の名前だがどこの国の人間か」とケンもホロロの答が返ってきて、先輩は「グレート・プロレスラー」と説明したのですがプロレス自体が和製英語でアメリカでは単に「レスラー」で良いことを教えられました。同様に野球ファンがベースボール好きに「王貞治を知っているか」と質問すると「名前は知っている」と答えたものの日本では世界記録と宣伝している通算ホームラン数については「球場の広さが違う」「試合日程などの条件が違う」と認めなかったので口論になりかけました。結局、同様の質疑応答の繰り返しの中で日本人が「世界的だ」と思い込んでいる人物でもそれは日本限定のお山の大将に過ぎないことを学習しました。それはアメリカに限らず野僧がスリランカでプロのサックス奏者に「日本の渡辺貞夫を知っているか」と確認した時も「知らない」と即答されました。当時、日本では「世界のナベサダ」と脚光を浴びていたので興味があったのですが案の定の結果でした。
確かに小沢さんは1959年にフランスのブサンソン国際指揮者コンクールで優勝したのを皮切りに日本では人気があるカラヤンさんやバーンスタインさんに師事してサンフランシスコ交響楽団やボストン交響楽団の常任指揮者を務め、晩年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やウィーン国立歌劇場の音楽監督でしたがクラシック音楽の世界でアメリカの交響楽団はヨーロッパよりも格下に見られていてアメリカのマスコミが持て囃すカラヤンさんやニューヨーク交響楽団などアメリカを中心に活動しているバーンスタインさんの評価は必ずしも高くはないと言う事実は否定できません。
小沢さんが指揮する交響楽団の演奏を聞いているとカラヤンさん式の耳触りが良い軽さがあり日本人好みではありますが、偉大なる指揮者・カール・ベームさんに育成されたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽団員たちが本当に能力を認めていたのかは疑問です。一般的に指揮者の個性を比較するのにヴェートーベンさんの交響曲第5番(「運命」と言う題名は日本限定の呼称)が用いられますが、ベームさんの第1楽章冒頭は「ジャン・ジャン・ジャン・ジャーン」と表記できるほど重厚なのに対してカラヤンさん=小沢さんは「ジャジャジャジャーン」と軽薄で楽団員たちが安易に乗り換えるとは思えません。
何にしても消滅の危機にあった日本のクラシック界をアイドル的な魅力で守ってくれた功績に感謝してペールギュントの「オーゼの死」を聞きながら冥福を祈ります。
  1. 2024/02/12(月) 14:48:23|
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