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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

3月9日・児童の自虐趣味推奨?聖ドミニコ・サヴィオが昇天した。

1857年の3月9日は15歳で殉教ではなく聖人列せられている聖ドミニコ・サヴィオの命日、キリスト教的には昇天した日です。
聖人はキリスト教でも主に正教会とカソリックの概念(プロテスタントは「カミの前では人間は平等」としているので原則的に認めていない)ですが最年少の聖人とされているのは307年頃に母親と共に殉教した聖シルで3歳だったと言われています。
一方、聖ドミニコ・サヴィオは1842年にイタリアでも北部のフランス国境に近いリーヴァ・プレッソ・キエーリの鍛冶屋の息子として生まれました。ところが幼児洗礼に始まるカソリックの儀式を経験する間に信仰心に目覚めて修道院に入ることが許される年齢(制度的には制限はない)まで待ち切れずに12歳でカソリックの教義と戒律の実践による下層民救済を指導していたドン・ボスコ司祭の門下生=内弟子になると危険な信仰生活を始めました。カソリックでは肉体を聖なるものを求める精神・魂を引き留めて罪を生み出す悪しき存在として自らを加害する風習があり、極限までの粗食だけを口にして石の上で眠り、真冬にも暖房や防寒衣を身につけず湯ではなく冷水を浴びて、それだけでは納得できなければ縄や鞭で背中を打つなどの危ない生活を送る者が信仰の実践者として尊敬を集めていました。サヴィオ少年もそれを真似るようになり少量の水とパンだけで生活し、石の上で布団を使わずに眠り、自分の身体を鞭で打つようになったのです。
数年前、スウェーデンの発達障害のグレタ娘が「地球温暖化の原因は先進国の文明生活によって排出される温室効果ガスが原因」と断定している本を読んで勝手に真実と信じ込んで単独で環境保護運動を始めて結果的に世界に多大な迷惑を与えましたが、ヨーロッパの若者たちが熱狂的に同調したところを見るとカソリックが植えつけた妥協を許さぬ狂気に等しい頑なさを崇敬する精神風土は健在なのでしょう。
実際、サヴィオ少年も健康を害したためドン・ボスコ司祭が「そんな方法では目標(司祭になること)は達成できない」と戒めた上で「自分の勤め(=勉強)を果たすこと」「3食をオカズまで全て摂ること」「ベッドで熟睡すること」「友達とグランドで元気に遊ぶこと」を約束させたのです。しかし、一度害した健康を快復させるのに教会の生活環境は適当ではなく、やがて重篤に陥ると死を恐れることなく「君も同じように歩むことができるなら、この世界で役立つ人間に成長することができますよ」と言い遺して夢見るように死んで逝ったと言われています。
するとドン・ボスコ司祭がこの死に至るまでの信仰生活を綴った伝記「ドミニコ・サヴィオの生涯」を読んだヴァチカンの教皇・ピウス11世は「この子は小さい、しかし、何とこの子の精神は偉大な巨人であることよ」と絶賛し、福者・聖人に列することを望みましたが殉教ではなく15歳で早逝した少年の信仰生活を福者・聖人と最大級・最高位に評価した前例がなかったため実現に至らないままピウス11世は崩御し、ピウス12世によって1950年3月5日に福者、1954年6月12日に聖人に列せられました。しかし、宗教者としても「子供の自虐趣味を推奨しても良いのか」と疑問を感じる評価ではあります。
  1. 2024/03/09(土) 14:55:18|
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