fc2ブログ

古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ766

「ストレート(西部防空指令所のコールサイン=仮称)、こちら13飛01、現在、海保7管区の要請に基づき日本海で韓国からの漁船団の侵入を阻止しているがモニター(監視)できているか」「こちらストレート、トラック(航跡)をモニターしているから大丈夫だ」黄海に姿を現した中国の大漁船団が東シナ海を東進してくるのに先立って韓国南東部の漁港から出航して見島に向かってくる数十隻の漁船に対処していた第7管区海上保安本部は萩海上保安署の巡視艇が銃撃を受けたため陸上自衛隊に第13飛行隊の掩護派遣を要請した。これを受けて防府飛行場を発進したUHー1多用途ヘリコプターは日本海上で小型巡視船が単船で10隻の漁船と銃撃戦を交わしているのを発見して上空を通過しながらドアに設置したキャリバー50=M2重機関銃を連射した。ところがそこに日本から飛来した民間ヘリコプターが接近してきたのだ。
「我々の後方に密着するように飛行しているヘリコプターがいるがこれは何だ」「スタンバイ」モニターに当たっている空曹は即答しなかった。小型プロペラ機や民間ヘリコプターの飛行計画は航空自衛隊の防空識別作業に影響しない上、飛行する高度が大きく違うため通知されず個別に航空局に問い合わせなければならない。
「13飛01、ソーリー(すみません)。その機体は福岡空港を発進したA日新聞の取材ヘリです。飛行計画では1時間後に離陸して東シナ海に向かうことになっていますが発進時間を繰り上げて日本海に変更したようです」「東シナ海と言うことは中国の漁船団への対処を取材するつもりだったんだな。それより先にネタを見つけたから急行したってところだ」「待て、シニアだ」ここで防空指令所の指揮を執っているシニア・ディレクター=先任指令官の1尉が割って入った。
ストレートでは中国の大漁船団には五島列島を占領するための部隊が乗船していてこれを接近させないために海上保安庁と海上自衛隊が平時の法令が許容する限界までの対処を執り、必要があれば航空自衛隊も参戦することを知らされているので空曹が監視と情報提供を実施するモニターにも神経を尖らせていた。
「A日新聞は現在の自衛隊の対処を違法行為として告発している反戦弁護団と一体化している。単なる取材と考えない方が良い。むしろ武器の過剰使用の証拠写真を狙っていると見るべきだろう」「確かに。韓国海兵隊の脱走兵が漁船で日本を襲撃すると言う策略は厳重に秘匿されているはずだからA日新聞が事前に情報を入手していたのはどう考えても不自然だ。おそらく中国から情報を提供されて準備を整えていたんだろう」1尉のパイロットもシニア・ディレクターの指摘を受けて推理を働かせた。
今回の東シナ海への中国の大漁船団への襲来には第7管区海上保安本部が保有する巡視船艇を総動員して対処する一方で武器を使用した場合は上空待機させている海上自衛隊の鹿屋航空基地のPー1哨戒機が攻撃を加えることになっている。この模様を撮影すれば漁船に対する自衛隊の武力行使として刑事告発する格好の証拠写真になるはずだ。ところが日本海の孤島で航空自衛隊のレーダーサイトがある見島を襲撃する韓国海兵隊の脱走兵に対しては仙崎海上保安部の高速巡視船と萩海上保安署の巡視艇以外は武装していない沿海用小型巡視艇1隻と同じく武装していない北九州空港内の固定翼機で対処するしかないのでA日新聞としても出方を覗っていたのだ。すると驚いたことに知らない間に岩国基地に派遣されていたアメリカ海軍のPー8哨戒機が参加したのに続いて派遣要請を受けた陸上自衛隊の第13飛行隊の武装したUHー1多用途ヘリコプターが発進して日本海上の巡視船・艇の任務を補完する想定外の行動に出たのだ。こうなるとA日新聞としても優先順位を変更せざるを得なくなった。
本来であれば数カ月前の安全保障理事会でアメリカの国連代表大使が日本と韓国の同盟としての資格の優劣を「国際ルールに基づく秩序を堅持している度合いによる」と明言した確証を示す好機だったのだが出遅れの感は否めない。
A日新聞は軍事政権当時から韓国のマスコミに海外の報道として政権を批判する口実を与えてきた教祖なのだ。それが現在では反日に替わっているが自国を否定するマスコミ報道など存在し得ない国際常識の中では誠実で真摯な自己批判として理解されている。
  1. 2024/03/16(土) 16:10:34|
  2. 夜の連続小説9
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<3月17日・「仁義なき戦い」の原作者・美能幸三の命日 | ホーム | 3月15日・カソリックの自己改革を討議したトリエント公会議が始まった。>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://1pen1kyusho3.blog.fc2.com/tb.php/9006-e939337f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)