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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ784

「久しぶりに加倍派叩き以外のニュースを見たな」「それも自衛隊の話題ですよ」西部航空方面隊指揮所から「五島列島と甑群島に上陸した中国軍の捜索と制圧が完了した」と言う報告が届くと中央指揮所のモニター画面はニュースを映した。すると毎度の加倍派叩きから始まったものの幾つかの国際ニュース、経済ニュースに続いて新潟市での戦没者慰霊法要の中継映像が流れた。解説と同時に流れる字幕では「新潟県庁跡で催された元自衛官の僧侶と神職、牧師による慰霊法要」「殉職した自衛官だけでなくロシア軍と北朝鮮軍の戦没者の追悼も行った」と解説した後、「午後から村上市で行われた慰霊法要では取材中に死亡した記者の追悼も勤めた」と付け加えていた。
実は防衛省記者クラブの記者たちは新潟からから市ヶ谷地区へ帰った佛教と神道、キリスト教の宗教者たちを出迎えて、九段の軍事神社で務めている神職が悪霊に憑依されたのを目撃したがニュースでは何も語らなかった。
「夕刊でも結構大きく取り上げているな。写真は村上市の死亡した記者の同僚の焼香とあるぞ」「要するにマスコミも危険を冒して取材していると言いたいんでしょう」大原防衛大臣がニュースを点けさせると内局の女性職員が数部の夕刊を持ってきた。加倍派所属だった宮谷副大臣が辞任してまだ後任は決まっていないので大臣が速読した夕刊は空いた席を通って事務次官に回った。
「石田首相はマスコミが悪意を以って報道している以上、加倍派の重鎮を人身御供(ひとみごくう)にしても無駄だってことが判っていないようだ」「政権交代前の集中砲火の二番煎じだってことがどうして判らないんでしょうか」大原防衛大臣は速読を終えた夕刊を受け取った事務次官と軽く時事阿呆談を交わした。宮谷副大臣の後任にしても石田首相は事実上の戦時であってもこれ以上の批判を浴びることがないように慎重の上にも慎重な人選をしているらしい。
「これは陸の西方総監、海の佐世保総監と意思統一した上での意見具申です。韓国軍の反日派の動きを封じた以上、この機に乗じて対馬を奪還しましょう」突然、数分前に五島列島と甑島群島の戦況を報告したモニター画面にパイロット・スーツ姿の西部航空方面隊司令官が映り、真顔で意見具申した。報告を受けた中央指揮所で大原大臣は夕刊を読み、ニュースを見ていることを誰かに聞いたらしい。
「確かに私も対馬奪還が今回の武力紛争の終結点だと考えているが、勢いで方が付くほど簡単な作戦じゃあないだろう」「実は大臣が警視総監や海上保安監と統幕長、3幕長の前で対馬奪還が最終決戦だと仰ったことは我々の耳にも届いています。しかし、我々はそれ以前、対馬から島民が避難した時点から陸海空自衛隊に九州管区警察局と第7管区海上保安本部が合同で奪還作戦を研究して来ました」西部航空方面隊司令官の説明に大臣の左手の席に並ぶ統合幕僚長と陸海空幕僚長たちは小さくうなずいた。しかし、右手の席の内局の官僚たちは昭和38年に政治問題化した「三矢研究」を思わせる制服の独断専行と受け取って厳しい顔で画面を注視している。
「それでどのような作戦なんだね。順序立てて説明してくれたまえ」大原防衛大臣に促されて西部航空方面隊司令官は深く息を吸うと淡々と語り始めた。視線を机上に落とさないところを見ると完全に頭に入っているようだ。
「先ず佐世保基地に配備している自衛艦隊の護衛艦と我が西部航空方面隊で対島を封鎖してその間に五島列島と徳之島に展開させた第1空挺団の普通科大隊を引き上げて空挺作戦を準備させます」佐世保地方隊が保有している戦闘艦艇はミサイル艇2隻だけなので海上封鎖には手が足りない。そこで自衛艦隊所属の護衛艦を動員するのだ。
「海上封鎖、兵糧攻めの効果が出てきたところに空挺団が奇襲攻撃して同時に水上機動連隊で山猫軍団を送り込んで奪還・占領します」「最後に九州管区警察局に対馬を不法占拠していた韓国人移民と軍の脱走兵を逮捕させて終わりです」島民が避難した後も帰国せずに対馬を占拠していた韓国系移民とそれに同調して侵攻した韓国軍の脱走兵たちは空き家で生活しながら食料や家電製品を奪って韓国で売り捌いただけでなく必要品を取りに戻ってきた漁船に発砲して複数の漁民たちを射殺している。
  1. 2024/04/03(水) 17:10:31|
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